轍(わだち)
除雪に明け暮れていたある日の朝。
その日も駐車場を除雪するために会社に向かっていた。時間は5時頃だったろうか。
私の車の前にはまだ1台しか通っていないのが轍でわかった。
私はその轍の跡をずっと規則正しく走って行った。
とある場所で目の前に続いている轍が急に左に曲がっていた。
その轍が曲がった先が土手になっているのを私は知っている。
案の定、土手に着いた雪には車の顔がかたどられていた。
そして一度バックした跡。
そこからはまた規則正しい轍が残っていた。
ある朝の出来事でした。