戻らない釣り人
東電の放射能被害、または風評被害の話が出なくなった。
忘れられたのだろうか?
水上の放射能レベルは基準値以下になったという。
確かにお客様がいらしてもその話をする方は少なくなったようだ。
だけど、うちの店の前にある湯桧曽川に釣り人は去年も来なかった。
以前は漁協の監視員が鑑札を購入せずに釣りをしている人を見回るほど
釣り人が来ていた。
昨年、釣りが趣味の高崎の先輩と話をしていると水上にはずっと行っていないと
言われた。
そして、水上の川は放射能が酷い、と当たり前のように言われたのを覚えている。
釣り人の間では常識的な話のようだった。
山もそうだ。
春には山菜採りのお客様が山に入り、国道から色とりどりの服が点々と
散らばっているのがよく見えた。
地元の人が、「都会の人が山菜採りに来ると若い芽まで採ってしまう」と
ぼやいていたのは何年も前の事だ。
近年は山菜採りの姿も見ない。
今年の春は戻って来るのだろうか?