「いる」と言う人、「いない」と言う人
私の知人で「いる」と言う人がいる。
知人 「でもお墓にはいないよ」
私 「じゃあどこにいるんですか?」
知人 「その辺。車を運転してると道路のわきによくいる」
私 「げっ、そんな所にいるの」
「いない」と言う人もいる。
何かの本で読んだんですが、江戸の奥医師で、確か桂川甫周という医者の娘が
「いない」と言ってました。
その娘は父(桂川甫周)が亡くなる時にたいそう悲しんだんだそうです。
あまりに娘が悲しむもので不憫に思った父が、
「もしもあの世があるのなら、お前に会いに来よう。薄暗い所があったら
そこに行ってごらん。私もそこに行こう」
と、言い残してこの世を去ったそうです。
それ以来、娘は暗がりを見つけてはそこへ行き父を呼んだそうです。
しかし、「とうとう父には会えなかった」とありました。
これはある意味「いない」派の証言ですね。
そんな季節がやってきました。