卒業祝賀会
高商の話題が続きます。
先日、高商剣道部の卒業祝賀会がありました。
この日は朝から引退した3年生にも武道館に入ってもらい1・2年生に最後の稽古を
つけてもらいました。3年生にとってはこれが最後の武道館です。三年間の一人一人の
思いを込めての稽古だったことでしょう。お天道様も卒業を祝してか長閑な小春日和を
演出してくれました。
武道館前の駐車場では吹奏楽部がマーチングバンドの練習に精を出していました。
楽器を持った生徒が駐車場を縦横に走り回り、校舎の向こうにはトラックを駈ける
ジャージ姿の生徒の姿が見え隠れしていました。そしてその奥のグラウンドからは
かけ声とともに金属バットの快音が木霊してきます。
高商は健在だなー。
高商の姿は30年前と全く変わりありませんでした。
こういう情景は見る者の年齢を自ずと感じさせるものではありますが、けっして寂しさを
伴うものではありません。むしろ大地から伸びんとしている青い芽のその将来に
大いなる期待を抱かせる一枚の絵です。
日ごろの悪いニュースなどこれっぽっちも入り込む余地などありません。日本も捨てた
もんじゃないという感慨のみが浮かんできます。そしてそこにあるのは将来を託するに
十分な後輩たちの姿でした。
私の視野にあったほんの数分間の情景です。
とっても幸せでした。私を高商へと導いてくれた縁にただただ感謝しかありません。
どうも三年生とお別れという事で私もちょっとセンチになりましたか。
しかし、卒業祝賀会は盛大に、そして賑やかな笑いに包まれていました。
お祝いに駆けつけてくださったOBの先輩方、指導にあたられた先生方、全学年の
保護者、まだまだ厳しい練習が続く1・2年生、そして高商を去る三年生。
皆の笑いと涙で予定時間を相当オーバーしての会となりました。
圧巻は1・2年生の余興で、学生服をパッと脱ぎ捨て上半身裸で踊る筋肉ダンスには
保護者のお母さん方から黄色い歓声が飛び交いました。
ちなみに高商はこの時テスト期間中です。テスト期間中によくもまあここまで
練習したものだと感心しました。
最後の三年生一人一人の挨拶は話す者も涙、聞く者も涙で会場はすすり泣きの声に
咽びました。
三年生は皆、自分の不甲斐なさを詫び、至らぬ自分に最後まで指導してくれた
先生や先輩方への感謝の言葉に満ちていました。本当に素直な子供たちです。
私も、 「良かったよ、いい挨拶だったよ」 と言うのが精一杯でした。
会場を出るとまだ長閑な小春日和は続いていました。
高商を去る三年生の前途もこの日のようにあってほしいとただ願うばかりです。