寮生活

モツ煮家店主のブログ

こんにちは、谷川岳のもつ煮、竹内です。

先日予備校の寮でいっしょだった仲間がお店に立ち寄ってくれました。

Aはどうしてるかなー?、Mはどうしてるかなー? と昔話に花が咲きました。

私は頭が悪かったので大学受験で浪人をしました。家族と折り合いが良くない私は予備校の寮に

入りました。いや、入れてもらいました。この年になるとこう書き直すのが正しい表現だと分かります。

楽しかったですねー。寮の連中はみんな良い奴等で未だに付き合いのある奴もいますし行方不明の奴も

います。金と時間があれば行方不明の奴を捜してやっても良いんですが、金も時間もないので放っておきます。

みんなで野球もしたし、夜中に寮を抜け出して映画を見に行ったりもしました。

でも、何をするにも幽霊が付きまとっているがごとく ”受験” という得体の知れないものが、ふと脳裏をよぎる、

そういう生活でした。今となってはそのあまり喜ばしくない生活も妙に懐かしく思ったりします。

そんな思いを共有していたせいか、寮の仲間とは高校時代の部活やクラスの仲間とはまた違った

連帯感とでも表現したら良いのかいいのでしょうか、ちょっと変わった仲間意識というのが存在してます。

あの頃の日本はまだ右肩上がりだったので私も含めみんなどこかに ”何とかなるさ” なんて感じを

抱いていました。それを思うと今の子供たちは可哀想な気がします。持っている知識や能力は変わらないのに

いえ、私達よりきっと優れているのに心持ちは私達の方が根拠のない余裕に満ちあふれています。

社会風潮というのは大切なんですね。

さて、私の頭の悪さは先天的なものだとこの時に判明したのですが、それ故に予備校生という高校生にはない

受験テクニックのようなものを最大限に駆使してどうにか日大にもぐり込む事が出来ました。私と同じくらい

出来の良いAという奴がいました。滑り止めで受けた東海大に拾ってもらい神奈川に行きました。

Aは東海に行っても勉強をしているという感じはなく、たまに私の所へ ”今スウェーデンにいる” とか

”ロシアに来てる” とか当地の絵葉書を送ってきてくれました。あいつはおおらかだなー。と思っていましたが

いざ就職となったら真っ先に大商社への内定を決めました。これで就職した後も世界をほっつき歩けます。

こんな所に今の子供たちの時代と私達の時代との違いを感じたりします。

A’という奴は先生をしているのですが、彼はこのアラ50になって海外での教職の希望を出したそうです。

そんな制度があるのかと感心しましたが、それ以上にこの年になっても好奇心の旺盛なA’の行動に

脱帽しました。家族にこんな話を進めるA’の計り知れないエネルギーはいったい何処が源なので

しょうか? エールとして ”リビアと北朝鮮で教鞭を執ってこい” とメールしてやりました。

 寮での朝食は前夜のラジオの話題から始まりました。本当にあいつ等は予備校に来ている意味が

わかっていたのでしょうか? しかし、かくいう私もその輪の中にしっかり混じっておりました。

楽しい一年でした。

 

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