ツバメの巣立ちと店内改装

モツ煮家店主のブログ

今、お店の内装工事をしています。

5月の下旬から7月いっぱいかけての店内改装です。

店内の改装工事なので作業が始まると陳列台からレジ、ショーケース、冷蔵庫、冷凍庫、

全てを移動させなければなりません。なので改装工事は定休日である毎週水曜日に

夜を徹して行われます。

東電の放射能による風評被害で落ち込んだ卸部門の売上補完のため自社店舗の売上増を図る

のが狙いです。東電の風評被害の影響は大きく、弊社の卸部門の営業も未だに県外の

得意先回りが多い状況です。

そんな状況なので改装といっても資金が乏しく、とても正規の改装という訳にはいきません。

しかし、世の中には神も仏もいるもので、私の置かれた状況をよく知ってくれている先輩が

破格の条件で内装工事を請け負ってくれました。

その先輩はご家族でデザイン会社を経営しています。

当初、店内をどうにか改装したくて資金のない私は先輩のデザイン会社に衝立だけを

注文しました。あとは自分でやるつもりでした。現場を見た先輩ご夫婦は考え込みました。

衝立と私の仕事では焼け石に水だと思ったのでしょう。

そして一言。 「全部やりましょう」 私がその言葉の意味を図りかねていると、

「店内全部やります」

そりゃあ店内全部やりたいのは山々ですが何せ資金がないんです。

東電の風評被害の中、到底無理な話しです。

でもご夫婦はそんな事は先刻ご承知の上で請け負うと言ってくれたのでした。

お金の話で恐縮ですが、誰がどう見てもその請負金額は時間と作業に見合うものでは

ありませんでした。畑が違う私が見ても分かりました。どう見ても人件費と利益が加算されて

いません。ご夫婦はこの事は他言しないでくれと言いました。

「そこで相談なんですが、私達の他に4人人手がかかります。竹内さんがやってくれますか?」

神の声かと思いました。

しかし、それでも私には一度に払う事が出来ない金額でした。

ご夫婦は乗りかかった船と思ったか毒を食らわば皿までと思ったか分かりませんが

支払も4回払いでいいと言ってくれました。

そんなやりとりがあっての店内改装です。私も水曜日は寝ずに作業してます。木曜日は辛いけど

そんな贅沢は言ってられません。お金の無い人間は体を使うのが世の常道です。

私も私に出来る事をやります。ご夫婦にはタバコを切らさないように買い置き、娘さんにも

お弁当とスイーツはふんだんに用意してます。

店舗前に懸垂幕も張ってくれるそうです。大きな懸垂幕です。それも2枚。

ただし、懸垂幕の設置は最後にしました。設置工事にツバメの雛が驚くといけないので。

懸垂幕は2階で休んでもらってます。

7月中旬。ようやくツバメの子供たちが夜も巣に帰ってこなくなりました。

今週懸垂幕を飾ります。

 

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