女性の感性って言うのでしょうか?

モツ煮家店主のブログ

いつでしたか、テレビのチャンネルを回していると

将棋対局をしているチャンネルに当たりました。

解説者が羽生さんだったので、”あっ羽生さんだ” とチャンネルを回す手を止めました。

ちょうどそこに洗濯物を持ったカミさんが通りかかり

「これいつの録画?」と私に尋ねます。

「録画?、今対局してるんだろ」 と私。

でもカミさんは、「違うわよー、今こんな事してる人はいないわよー」

「?」

はて? うちのカミさんは何を言ってるんだろう。

カミさんの言っている意味が分かりません。

きつねにつままれた状態の私にカミさんは続けます。

「い・ま・ど・き、こんな恰好をしてる人はいないって言ってるの」

え? 私は画面に目を戻します。

羽生さんの恰好、変かな? 普通のスーツですが?

未だに事態を呑み込めていない私にカミさんが一言、

「女のほうよ」

女のほう? 

改めて画面を見ると、羽生さんともう一人女流棋士が立っています。

将棋のテレビ解説というのはいつもこうです。画面中央に将棋の盤面があり、

向かって右側に男性棋士、左側に女流棋士が立って解説していきます。

カミさんの言う ”女のほう” つまり女流棋士ですが、紺のブレザーを羽織っています。

何の問題もありません。

何が変なの? うちのカミさんコンブレ嫌いなのかな? 

ますます怪訝になる私。

面倒くさいとばかりにカミさんはテレビのリモコンを取って番組の説明欄を出します。

「ほら」

「?」

「1989年ってあるでしょ」

本当だ。確かに1989年の対局録画のようです。

「なんでそんな昔の録画だって分かったの?」 カミさんに尋ねました。

「だから、今時こんな恰好してる人は、い・な・い・で・しょ!」

・ ・ ・ やっぱりカミさんが何を言っているのかわかりません。

羽生さんがスーツ、女流棋士がブレザー、どこがどう変な恰好なのでしょう。

”もー、こいつは、いろはの「い」から教えないと理解できないようだ” 

とカミさんは悟ったらしく、手に持っていた洗濯物をソファー置くと、

「その女の人の前髪、上がってるよね」

「はい」 

言われて見れば上がってます。

「女の人のブレザーに肩パットが入ってるでしょ」

「え、肩パット? どれどれ」 

よく見ると確かに肩パットが入っているようです。

「こんな恰好、今の人はしないのよ。バブル時代の象徴。分かる!」

「はー、・ ・ ・ そうなんですか?」

やっと分かりました。

前髪上げて肩パットの入ったブレザーを羽織るような恰好を

今の女性はしないという事なんですね。

見てるものが違ったわけですよ。要は。

私は将棋番組で将棋を見てたんです。盤面は注視しますが解説者の格好に目は行きません。

カミさんは将棋番組でファッションを見ていたわけですな。

つまり、私が呆れられる理由は無いわけです。

私は心が広い。

「何で俺が呆れられなきゃなんねんだよ!」 なんて思いませんでしたから。

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